この記事では空き巣、居抜き、忍び込みなど侵入窃盗犯の手口や対策など、住宅のセキュリティについてご紹介します。素人では気づきにくいような部分についても、私達のような専門の鍵屋ならアドバイスが可能です。
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侵入犯罪の傾向
警視庁から公開されている令和3年の刑法犯に関する統計資料(警察庁/PDFへ外部リンク)のデータを見ると、空き巣や強盗などの犯罪認知件数は年々減少傾向にあります。
重要窃盗犯認知・検挙状況
警察庁抜粋資料1しかし、令和3年時点でも37,240件の侵入窃盗が発生しており、令和4年から令和5年にかけて全国で闇バイトの犯罪グループによる連続強盗事件が発生するなど、依然として侵入犯罪への対策が必要な状況です。
被害の傾向として、集合住宅よりも戸建ての住宅がより狙われやすい傾向にあります。
戸建ての物件は塀などで視覚が遮られる、近隣住民に出くわしにくい、盗める資産が多い可能性が高いなど、侵入窃盗犯にとって好条件が重なっているからかもしれません。
侵入の経路としては以下のデータを見ると、無締りによる侵入、ガラス破りによる侵入が特に多いです。また、鍵を開けての侵入は少ない状態です。
侵入手段別住宅対象空き巣・忍込み・居空き認知件数
警察庁抜粋資料2これは2000年頃には、ピッキングで開けられる鍵が多かったのですが、現在住宅に付けられている鍵はピッキングなどの不正解錠ができない鍵が付けられているためです。そのため、現在はピッキングでの鍵開けよりも、合鍵による鍵開けの方が多い状態になっています。
そのため、無締り、ガラス破り、不正な合鍵作成の対策をしていくことがセキュリティを向上をしていく上で重要です。
侵入方法ごとの対策方法
ピッキング対策
ピッキング被害が減っているとはいっても、それはピッキング対策された錠前が付いているため、ピッキングされないだけと考えましょう。
ピッキングされない鍵としてオススメしたいのが、ディンプルキーになります。特にMIWAのPRやPSといった鍵、GOALのV18、GRAND Vといった鍵は防犯性が高い事で有名です。
MIWA社/PRシリンダーの画像
GOAL社/V18シリンダーの画像
住宅の無締り対策
無締りの対策をするのは、玄関、勝手口、窓になります。玄関はきちんと戸締りをしている人が多いのですが、勝手口や窓は開けっ放しになっている人が多くいます。特に2階の窓を開けている人は非常に多いのですが、窃盗犯は2階の窓にも登っていきますし、窓の鍵は外からでも開いているか判別できるため、開けっ放しは非常に危険です。
開けっ放しを無くすには気を付ければ良い話なのですが、人間は間違いを起こすものなので、どうしても開けっ放しで忘れてしまう場合があります。こういった場合、玄関、勝手口、窓でそれぞれオススメの製品が違うので、それぞれご紹介します。
玄関の無締り対策
玄関や勝手口の鍵でオススメなのが、自動施錠機能が付いており、テンキーとカードキーを併せて使えるタイプの錠前です。オススメの理由としては以下になります。
- 普段はカードキーで開け閉めできて便利
- 自分でカードキーの登録、削除ができるので紛失しても鍵の抹消がすぐできる
- 自動施錠タイプなので、鍵の締め忘れがなくなる
- 万が一自動施錠で締め出されても、テンキーの番号を使って解錠できる
- カードキーとテンキーの鍵にはピッキングは通用しないので防犯性も高い
窓の鍵無締り対策
締め忘れ防止機能の付いたクレセント錠がオススメです。締め忘れ防止機能の付いたクレセント錠だと締め忘れている時に一目で締めていない事が分かるので締め忘れを軽減できます。最近では窓の開け閉めを検知するセンサーやアラームなどの製品も販売されているため、これらと組み合わせると防犯性がより向上できます。
ガラス破り対策
ガラス破り対策には防犯ガラスにすることが効果的です。ただし、家の窓を全て防犯ガラスにすると費用がかなり高額になってしまうため、既存のガラスに防犯フィルムを張ることもオススメです。
不正な合鍵作成対策
不正に合鍵が作られてしまうケースは2パターンが考えられます。
パターン1/鍵を拾われてしまう
一つ目は鍵を紛失してしまい、その鍵を使って住宅を開けられてしまったり、合鍵を知らない間に作られてしまうケースです。鍵を失くしてしまったけど、いつの間にか鍵が戻ってきた場合などは、合鍵が作られている可能性があります。鍵を紛失してしまったら、鍵交換をするのが防犯的には正しいです。
パターン2/鍵番号を知られてしまう
メーカー純正の鍵には、鍵番号という英数字が刻印されています。この番号を知られてしまうことで、メーカーに合鍵を発注することができます。メーカーや鍵の種類によっては本人確認なしでも合鍵を作れてしまうため、注意が必要です。対策として…
①鍵番号が見られないように、鍵のカバーを購入すること
②鍵番号とそれ以外の情報が無いと合鍵を作成できない鍵を自宅に付けることが挙げられます。
セキュリティカード等で、鍵番号とセキュリティカードが無いと、メーカーに合鍵が発注できない仕組みになっていることを上手く活用するといいかもしれません。
防犯対策にオススメの電子錠
ドアの締め忘れ対策として、玄関の鍵をオートロック(自動施錠機能)が付いている電子錠に交換するのがオススメという話をさせていただきました。では、具体的にどんな電子錠がオススメなのかご紹介していきます。MIWAとGOALという錠前メーカーがあるのですが、この2社で日本の住宅に使われている鍵の8割~9割のシェアを持っていると言われているため、この2社の錠前に対応した錠前をご紹介します。
MIWA社/Piack2 Smart(ピアックツー スマート) 自動施錠機能付き
Piack2 Smartの特徴
- テンキー、カードキー、スマホでの操作に対応/カードキー紛失時にもテンキーで解錠可能
- 自動施錠機能有りのタイプを選べる
- MIWA社の錠前に取り付け可能で、ドアに穴を開ける必要がない/取り付け可能な錠前は決まっているので要注意
- 電池切れ時には非常用給電端子に9V角形電池を押し付ける事で電力を供給できる
- 1ロック仕様と2ロック仕様が選べる
- 自分でカードキーの登録、抹消ができるので鍵紛失時に即座に対応可能
GOAL社/LaresIA(ラレシア)
LaresIAの特徴
- テンキー、カードキーでの操作に対応
- LaresIA専用の開閉センサーを設置すれば自動施錠機能が使える
- GOAL社の錠前に取り付け可能で、ドアに穴を開ける必要がない/取り付け可能な錠前は決まっているので要注意
- 電池切れ時には従来の鍵を使って開ける事ができる
- 1ロック仕様と2ロック仕様が選べる
- スマホのアプリから自分でカードキーの登録、抹消ができるので鍵紛失時に即座に対応可能
イージスゲート社/AEGIS GATE
AEGIS GATEの特徴
- テンキー、カードキーでの操作に対応
- 自動施錠機能が使える
- MIWAやGOALの錠前に取り付け可能で、それ以外の錠前にもドアを加工すれば取り付け可能/取り付け可能な錠前は決まっているので要注意
- 電池切れの際は非常電源供給端子に9Vアルカリ乾電池を押し付ける事で給電が可能
- カードキーを紛失した際は、自分でカードキーの情報をリセットできるので、即対応可能
既存の鍵に何かしらの対策を講じて、ご自宅全体のセキュリティ向上を図るには、やはり当社のような専門職へご相談いただた方が、たくさんの条件や環境を加味した提案が行えますし、結果としてご希望の形(セキュリティ度合い)へ近づけると思います。ご相談ベースでご連絡いただければ幸いです。