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鍵の修理に必要な道具と使い方の解説

必要な道具と使用方法のアイキャッチ画像

この記事では、鍵屋の新人へも研修などで教えている実践的な修理方法をご紹介しています。この記事で紹介している以外にも修理方法はありますが、今回は素人でも可能な修理ということで簡単な錠前の直し方に絞ってご紹介しています。自分で修理をしたいが、どうすればいいか分からない人などは道具の用意から、実際の修理方法などを紹介しますので、自分で修理ができるようになります。

逆にこれを読んで自分では修理が難しいと判断した場合は、他の修理方法は更に難しいのでご自身で修理をするのは難しいです。カギ楽にご相談いただければ、症状をお聞きしていくらで修理できるかご案内いたします。

自分で鍵の修理はできる?

鍵の修理を自分ですることは可能です。鍵が故障してしまう場合、考えられる原因は色々とありますが、最も多い原因は錠前の中に入った埃が動きをおかしくしている事です。適切に錠前を分解して埃が詰まっている箇所を洗浄してから潤滑剤を塗布すれば修理できることは多々あります。

鍵の修理に必要な道具と使い方

鍵の修理をするためには、錠前を分解していく必要があります。錠前の種類によって分解に必要な道具は変わりますが、よく使う物をご紹介します。これらは基本的にホームセンターやAmazonで買える一般的な道具になります。

必要になることが多い道具

プラスドライバー

プラスドライバーはほぼ全ての錠前の修理で使います。錠前の固定はプラスのビスで固定されているので錠前を分解する際に必ず仕様します。使い方の注意点として、錠前を固定するビスは強く締められていたり、長い年月使っていなかったために固着している場合があります。こういった場合、ドライバーをビスに押し付ける力を強くしないとネジが舐めてしまい、ビスを取り外す難易度が格段に上がってしまうため注意しましょう。

また、プラスドライバーで錠前を固定する際は、そこまで力を入れずにビスを締めた方が錠前の動きが良くなります。ビスの締めすぎにも注意しましょう。

マイナスドライバー

マイナスドライバーは細かい部品を引っ張り出す時や、錠前の動作確認をする時に使います。

パーツクリーナー

鍵穴の内部や錠前の内部の埃を洗浄する時に使います。隙間から噴射することで、細かい部品を分解することなく洗浄することができます。パーツクリーナーにはいくつか種類がありますが、速乾性の高いものを使うと良いです。

鍵専用潤滑剤

錠前を洗浄すると不具合が改善することが多いですが、潤滑剤も落とされてしまっているため、錠前の動きが鈍くなったり、擦れるような音が出る場合があります。この場合に鍵専用の潤滑剤を塗布することでスムーズに錠前が動くことになります。

注意点が2点あって、鍵専用の潤滑剤を使うこと、塗布する潤滑剤の量は少なめにすることです。鍵専用の潤滑剤を使うと、潤滑剤と埃が混ざって練り固まってしまい、後日トラブルが発生します。また、鍵専用潤滑剤でも大量に塗布すると同じように埃と混ざって練り固まってしまい、鍵が回らないなどのトラブルに繋がります。

錠前の種類によっては必要になることがある道具

ワニ口クリップレンチ

握り玉などの古めの物件についている錠前を取り外すときに重宝します。古い物件だと鍵を付けたままドアに塗装をしてしまい、ビスを外しても錠前が取り外せない場面があるためです。こういった時にワニ口グリップレンチを持っていれば、力を加える事で錠前を取り外すことができます。明らかに錠前の上から塗装がされている場合は、カッターなどで塗装を剥がしてからワニ口グリップレンチを使うと綺麗に錠前を取り外せます。

六角レンチ

ドアノブを取り外す際に、六角レンチでないと外せないイモネジがついている事があります。六角レンチを使う際は、穴の径と同じサイズのレンチを使わないと六角の穴が潰れてしまう場合があるので、必ずぴったりと合う物を使いましょう。

自分で鍵の修理をする時の手順

鍵の修理内容はいくつかありますが、素人でも出来る修理内容は限られています。素人でも出来る鍵の修理で、最も効果的な分解洗浄作業についてご紹介します。

修理で効果的な分解洗浄作業とは…?

錠前の不具合は大抵の場合錠前の中に入った埃が原因になります。不具合が出始めたばかりだったら、錠前の中の埃を綺麗にしてあげるだけで不具合が解消することが多いです。不具合が出てから時間が経過していると、埃によって錠前内部の金属がずれてしまい、金属疲労などが起きて直らない場合が増えてきます。そんな不具合初期によく効く分解洗浄作業の方法をご紹介します。

自分でできる分解洗浄作業の方法

①錠前の種類を調べる

錠前の写真

錠前には種類が多数あります。錠前の種類によって、錠前を分解する手順が違うので事前に分解方法を調べておきましょう。分解方法を調べずに作業を始めると、元に戻せなくなったり破損してしまって自分では修理ができなくなってしまいます。

調べる方法としてオススメなのが、錠ケースの刻印から錠前の種類を調べる方法です。ドアには錠ケースと呼ばれる金具が付いており、この錠ケースによって錠前の種類が決定します。錠ケースには表面に品番が刻印されている事が多いので、この刻印をインターネットで調べることで錠前の分解方法を調べられます。

また、交換方法を確認して、プラスドライバーなどの分解に必要になる道具を用意しておきましょう。

②錠前を分解する

事前に調べていた通りに錠前を分解していきます。この時気を付けたいのが、部品を紛失したりネジの場所などが分からなくなることです。部品を取り外した順番に部品を並べておくと、取り付ける時は逆の順番に部品を使っていくだけなので楽になります。

また、電気錠や電子錠の場合は、電源の端子を取り外しておかないと回路がショートしてしまうので注意しましょう。

③錠前内部を綺麗に洗浄する

錠前内部の様子

パーツクリーナーで錠前を洗浄します。錠ケースやシリンダーは特に重点的に洗浄すると良いです。錠ケースを洗浄する時は表面ではなく、内部を洗浄することになるので、錠ケースの隙間からパーツクリーナーを噴射しましょう。画像では赤〇の場所に隙間があるので、そこからパーツクリーナーを噴射します。

パーツクリーナーを噴射する量は少量でなくても構いませんので、念入りに噴射しましょう。筆者は840mlのパーツクリーナーを使っているのですが、一回分解洗浄するとスプレー缶の半分は使っています。

また、パーツクリーナーで洗浄すると大量の埃と油が出てくるので、汚れても良い布を敷いておくと汚れが周囲に付かず後片付けが楽になります。パーツクリーナーが塗装のある場所に付着した場合は、時間経過で塗装を剥がしてしまう可能性があるので、布で綺麗に拭き取りましょう。

④錠前を乾かす

錠前をしっかり乾かす画像

パーツクリーナーで錠前を洗浄した後は一度錠前を乾かします。速乾性のパーツクリーナーを使えば5分から10分程度で乾くことが多いです。きちんと乾いてから潤滑剤を塗布しないと、潤滑剤がパーツクリーナーで落ちてしまうので必ずパーツクリーナーが乾いてから作業を続行しましょう。

⑤鍵が動作することを確認する

ちゃんと動作確認する様子

埃を除去した状態で錠前が動作するか確認しましょう。錠前の仕組みが分かる場合は、部品ごとにマイナスドライバーで動作を確認していくことになります。錠前の仕組みが分からない場合は、一旦錠前をドアに取り付けて動作確認します。この状態で錠前の動きが良くなっていれば、次の作業に進みます。錠前の動きが良くならない場合は、一度③の「錠前内部を綺麗に洗浄する」部分からやり直します。やり直しても効果がでない場合は、錠前が故障している可能性があるので、鍵屋に依頼して鍵交換をしてもらうことになります。

⑥鍵専用の潤滑剤を塗布する

潤滑油を塗布する様子

錠前の動作をする部分に鍵専用潤滑剤を軽く塗布します。錠前を動かして、潤滑剤をよく馴染ませた後に潤滑剤を軽く布などでふき取れば完了です。錠ケースなどの内部が見えない部品については、パーツクリーナーを噴射した場所と同じ場所から内部に潤滑剤を塗布します。

よくある失敗として、潤滑剤を大量に塗布するのは止めましょう。大量の潤滑剤は埃を吸い込んでしまう原因となります。潤滑剤を塗布した当日は問題なくても、2週間後などに急に錠前が動かなくなる等の症状が発生します。

自分で鍵を修理する時に、絶対にやってはいけないこと3選

①鍵を無理やり回す

鍵が回りづらい状態で、鍵を無理やり回すのは絶対やめてください。鍵が回りづらいということは錠前の内部で金属がこすれている状態ということです。この状態で無理やり鍵を回すと、錠前内部の金属が抉れたり折れたりして修理不可能になります。また、鍵は真鍮という柔らかい金属が素材になっているため、最悪鍵穴の中に鍵が入ったまま鍵が折れてしまい、締め出されてしまう可能性もあります。

こういった場合は鍵を無理やり回す前に掃除機で鍵穴から埃を吸い込んだり、パーツクリーナーを錠前内部に噴射することで埃を取り除きましょう。

②潤滑剤は鍵専用の物を使う

昔の鍵は作りが単純だったため、鍵専用の潤滑剤以外でも不具合は起きにくかったのですが、2000年頃にピッキング被害が多発してから鍵の精度は年々上がってきており、潤滑剤も鍵専用の物を使う必要が出てきました。鍵専用以外の潤滑剤を使うと一瞬症状が改善されるのですが、潤滑剤が埃を吸い込んで数日後に高確率で鍵が開かなくなります。

③用途が分からないネジは外さない

ドアや錠前には、表面からは用途がよく分からないネジが付いていることがあります。こういったネジは無暗に取り外さないようにしてください。新人の鍵屋でよくある失敗として、取ってはいけないネジを外してしまい、修理不可能になることがあります。私が研修を担当した新人鍵屋で起きた事例としては、取り外し方が分からない錠前の交換をする際に、ドアについているネジをとりあえず取り外したら、ドアの内部で部品が落下してしまい、ドアを一旦全て組み立て直さないといけないことがありました。ドアにしろ錠前にしろ、内部で部品が落下すると元々の組み立て方法が分かっていないと自分で修理するのは不可能です。

用途が分からないネジをむやみに取り外すのはやめましょう。

例1の写真

ドアについている用途不明のネジを外すと、ドアの内部に部品が落下して専門家でないと修理できなくなる。

例2の写真

錠前の用途不明のビスを取り外すと内部のバネが飛び出して、鍵屋でも修理ができなくなります。

自分でできないと判断したら迷わず鍵屋へ相談しましょう!

ここまで修理の方法をご紹介してきましたが、この内容を見て自分では修理ができないと思った場合は鍵屋に依頼してしまった方がいいです。ここで紹介している内容は実際に鍵屋が行う修理の中でも簡単な部類に入る修理内容になります。間違ったビスを外してしまうと錠前が壊れてしまう可能性がある作業ですが、手順をきちんと調べてから作業をすれば間違いは起こりにくいです。

それでも失敗するのが怖かったり、調べる手間を惜しむ場合は鍵屋に依頼して多少のお金をかけてでも安全に作業してもらうべきでしょう。修理に失敗すると錠前が故障したり、ドアを破損してしまい余計な出費に繋がります。

鍵屋で修理を行う場合の費用相場

鍵屋に依頼してどのぐらい修理費用がかかるか気になる方も多いと思います。鍵屋で修理を行う場合は、作業内容や錠前の種類によって費用が変わりますが、「8,000円〜」とホームページに掲載している場合が多いです。ただし、これは最低金額が8,000円からという意味で、これ以上の費用がかかるケースが多いです。

実際に修理にかかる費用の相場感は以下になります。

作業内容費用イメージ
ネジを締め直すだけ等の簡単な作業8,000円~10,000円
錠前の分解を伴う一般的な修理作業15,000円~25,000円
専門性の高い難易度の高い修理作業25,000円~35,000円
鍵を修理する場合の費用感

錠前の一式交換などでは5万円以上費用がかかるケースが多いので、それよりも安い費用で料金提示されることが多いです。専門性の高い難易度の高い修理作業の場合は、該当の部品を一式交換した方が安く確実に直るので、実際に修理で提示される金額は8,000円〜25,000円の間になることが多いです。

費用が高いと感じるかもしれませんが、この金額は修理作業だけでなく、不具合の根本原因の調査もしてくれて、アフターフォローもしてくれる金額だと思えばそこまで高くはありません。

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